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岡崎 啓史*; 上原 真一*; 嶋本 利彦*; 舟木 泰智; 操上 広志; 新里 忠史; 大西 有三*
no journal, ,
本研究では、北海道幌延地域の新第三紀堆積岩について、地表で採取した試料及びボーリングコア試料を用いて、拘束下での詳細な浸透率及び間隙率室内試験を行った。主な結果は次のとおりである。(1)基岩部の浸透率,間隙率分布を推定するうえで基礎的な性質が得られた。(2)同一試料からの供試体試験結果より、拘束圧の変化に伴う間隙率と浸透率の変化には、Kozeny-Carmanの式で説明できる可能性のある明確な関係が見られた。(3)有効圧の対数と間隙率の関係において、載荷時に曲率の大きくなる部分がある様子が観察された。この部分に相当する圧力は、推定最大経験応力に比べて小さな値を示した。(4)地表で採取した試料の試験結果は、層序ごとの結果のばらつきの範囲から見て、コア試料の結果と近い値を示した。本講演では、三軸変形試験下の浸透率の変化についての測定結果も報告する予定である。
上原 真一*; 嶋本 利彦*; 舟木 泰智; 操上 広志; 新里 忠史; 大西 有三*
no journal, ,
拘束圧を変化させながら室内透水試験を行うことで深さ10km以上の条件下での岩盤の透水特性を推定することが可能である。本研究では、北海道幌延地域の新第三紀堆積岩を対象に、基岩部,破砕帯部からの試料による室内浸透率測定試験と、本対象地域で掘削したボーリング孔で実施された原位置試験結果の比較を試みた。その結果、稚内層の場合、基岩部と破砕帯部の室内試験の範囲内に基岩部と破砕帯部の両者で実施した原位置試験結果は分布した。さらにデータを増やし詳細な検討を行う必要があるが、今回の結果は、非常に簡便な手法として、室内試験から原位置での透水特性を推定できる可能性を示唆している。一方で、声問層下部付近の基岩部と破砕帯部の原位置試験結果は、基岩部試料による室内試験結果と近い値を示し、破砕帯試料による結果よりも非常に小さな結果となった。これは、声問層は稚内層に比べて間隙率が高いため、稚内層よりも断層や亀裂の影響が小さいことを反映している可能性がある。
乙坂 重嘉; 奥 俊輔*; 南 秀樹*; 皆川 昌幸*; 乗木 新一郎*
no journal, ,
世界で最大の縁辺海である日本海は、独自に深層循環を形成することなどから「ミニチュア大洋」としての特徴を持つことが知られている。また、近年の研究では、日本海における物質循環過程が、全球的な環境変動に応答して変化していることが指摘されている。本研究では、日本海における、沈降粒子束や沈降粒子中の元素組成の経年変化を評価するために、1984年に行われたセジメントトラップ実験の結果を、1999-2001年の結果と比較した。全粒子束は、この15年間で目立った経年変化は見られなかったが、表層での生物種の指標となる沈降粒子中の生物起源オパール/炭酸カルシウム比が減少していた。さらに、マンガンやコバルトといった粒子輸送経路の指標元素についても濃度減少が見られた。これらの結果から、日本海表層での生態系の変化や、深層での粒子状物質の輸送経路が経年変化していることが示唆された。